1998年、酪農家たちは高温多湿の牛舎環境に悩まされていました。乳牛は摂餌量や乳量の低下を引き起こすだけでなく、時には熱中症で死亡する場合がありました。酪農家では水を散布したり、多くの小型扇風機を設置したりと様々な工夫を行いましたが、衛生面やコスト面の観点から、いずれも満足のいく対策ではありませんでした。 そのような状況の中、MacroAirの開発者であるEddieBoydはNASAで培った技術と知識を活かし、「大量の空気を少ないエネルギーでダイナミックに動かすことにより気流を発生させる」というコンセプトのもと、大型シーリングファン『MacroAir(マクロエア)』の開発に成功し、快適な牛舎の環境を創り出すことに成功しました。 MacroAirは世界30か国で導入されており、累計設置台数はおよそ5万台になります。今日では牛舎のみならず、倉庫、工場、商業施設など、様々な場所で導入が進んでいます。
HVLSファンは飛行機の翼と同じ断面形状のブレード(羽根)がついており、このブレードが通過する際に発生する揚力の反作用で、強力な下向きの気流を生み出します。
ブレードは進行方向に対して水平に取り付けられるため空気抵抗をほとんど受けません。そのため、小さなエネルギーで大きなブレードを回転させることが可能となります。この原理を用いることで「低速回転にもかかわらず大容量の空気循環を生み出す」ファン(=HVLSファン)が生まれました。従来の送風機とは全く異なり、省エネルギー性と静音性に優れています。
MacroAirを導入するメリットをわかりやすくご紹介します。
MacroAirは爽やかで心地よい風を広い範囲に行き渡らせることができます。
汗をかいた肌に風が触れることにより体温を下げますので(気化熱)、体感温度として最大5℃程度の低下を感じることができます。
気流の無い施設(空間)では、湿気を含んだ“重い空気”が地上付近に滞留しますので、床面のカビ発生や段ボールの胴膨れの原因となります。MacroAirで空気をゆっくりと撹拌することで湿気の滞留を解消し、カビの発生や段ボールの胴膨れを防止します。
昨今のコロナウイルスやインフルエンザ等の感染症対策として、換気が重要な課題となっています。MacroAirは、厚生労働省が推奨する必要換気量を大きく上回る空気を開放口から押し出すことができます。これにより、大空間の空気を短時間で容易に入れ替えることが可能となります。
空調による冷気・暖気を効率よく循環させることで、エネルギーコストの削減にも大きく貢献します。
空調機から発生した冷気を攪拌することで、余剰のエネルギーを使うことなくスピーディに空間を冷却することができます。また、風が体にあたることにより体感温度も低下しますので、目的の温度を2~3℃上げた状態でも十分な効果が得られます。
空調機からの暖気は地上にとどまらず、すぐに天井付近に上昇してしまいます。MacroAirを逆回転で運転することで、地上の冷気を吸い上げ、天井の暖気をゆっくりと地上に降ろしてくることができます。
※逆回転時には寒さを感じない(体感温度が低下しない)程度の風となります。
MacroAirは1台で扇風機50台分の風量があります。また、天井に設置するため地上での活動を妨げることなく、床面スペースを最大限に活用することができます。